書籍レビューです。今回は、三人の男児を育てる私・ハレバレちゃんが「息子のトリセツ」を読みましたので、そのレビューになります。小さいお子様から小学校低学年のお子様がいるママに特にオススメしたいと思います。(もちろんパパやもう少し大きなお子様をお持ちの方もぜひ。)
「息子のトリセツ」本の紹介
【タイトル】息子のトリセツ
【著者】黒川伊保子
【出版】2020年11月1日
著者である黒川伊保子氏は脳科学・人工知能(AI)の研究者です。
男女の脳の「とっさの使い方」の違いを発見し、その研究結果を元に本を書かれています。本著「息子のトリセツ」よりも「妻のトリセツ」「夫のトリセツ」の方が聞いたことがあるという方が多いかもしれません。
「息子」という「母」とは異なる性別の子どもを育てるにあたって、男の子の脳には母が知らない秘密がいっぱい。それがわかれば、子育ては格段にラクになって、楽しくなる、と帯にも書かれています。
ここでは脳科学の専門家である黒川氏が定義している「男性脳」に基づいて書かれています。著書の中にも説明があるのですが、解剖学的には脳の作り・器官自体は男女差はありません。ただ、「脳のとっさの使い方」に男女差があるようです。よって、男性でも「女性脳」に近い子どもがいてもおかしくはないとのこと。子どもの成長によっては「息子のトリセツ」だけでなく「娘のトリセツ」を参考にすると良いのかもしれません。
息子を育てる親なら「わかる」「あるある」が詰まった本。
著者の黒川氏にも息子さんがおり、随所に黒川氏と息子さんのエピソードが具体例として出てきます。「男の子ってこういうときはないですか?」という例がたくさん出てくるので、親(特に母親)は「わかるわぁ!」「あるある!」と共感しながら、読み進められます。全体的に内容は読みやすいと思います。もちろん脳科学的な説明もありますが、そこは雰囲気で読んでも大丈夫です(もちろん理解出来た方がいいのですが)。
男の子の「ぱなし(やりっぱなし)」癖や、「ぼんやり」する癖。
風呂をロックオンしたら、脱ぎ捨てた服をついでに洗濯かごに入れようとか、そういうことが何度言っても出来ないのは男性脳の一つ。
ぼんやりすることで外界から脳を遮断し、脳を進化させてるモードに入る。
男の子は「自分」よりも「対象」に夢中になる傾向が強く、自分そっちのけで夢中になる。
人生の初期では「自我」を母親に丸投げし、「遠く」の認知に夢中で「近く」のこと、それは自分のいのちさえも母に丸投げするのだそう。
あるあるすぎて笑うしかありません。
虫取りに行く子どもたち。「いってきまーす!!!」と猛ダッシュで階段を駆け下りていく子どもたちにいつも「帽子は!?」「ドア閉める!」と叫び、挙句に虫取りに行くというのに手ぶら…「網は!!?」こんなやり取りはしょっちゅう。
小1の長男はゲームやごはんに夢中になって、いつもおしっこはギリギリ。
この「ぱなし」「ぼんやり」にイライラ~~~~とすることはどうしてもあるのですが、遠く=空間認知能力を育てることで、男の子の好奇心や冒険心、開発力が培われていると思えば、少しは温かく見守ろうと思えるなと感じました。
何より、自我やいのちを母親に丸投げにしてこの子たちは今を生きているんだって思えば、めちゃくちゃ可愛いやつめ!と頬が緩むのです。
ハレバレちゃん
成長する脳の変化に対して、親のやるべきことがわかった。
〇〇歳にはこういう脳の変化があるので、そのときには、それまでには、××をしよう、気を付けよう。
といった内容がいくつか出てきます。
簡単にまとめると以下の5点です。
- 読書、読み聞かせ
- 外遊び
- さまざまな体験
- 睡眠
- たくさんの共感型対話
一応、本の中では今からでも間に合うとフォローはありますが、やはり早めに知っておくことは大事だと感じました。脳科学の観点から書いてありますが、なんとなく一般的な教育・育児本にも書いてありそうな気はします。もちろん、脳科学の観点から、この時期にこういう働きがあるから、これが効果的だと論理的に説明がありますので、今現在、上記のことを実践されている方も納得できるのではないでしょうか。
また、食事のこと、睡眠のこと、話し方、対話のコツについて、具体的に説明があり非常にわかりやすいです。
母親は「女性脳」の生き物であるにも関わらず、子育て期間には「男性脳」である「ゴール指向問題解決型」になっていたり、人生で一番気が利く状態(「遠く」も「近く」も切り替えられる)になっているようなので、意識していきたいところです。
例えば、
妻「今日、仕事で上司からこんなことを言われてさ…」
夫「あーそれは上司の言い分も一理あるよ~…」
って別に夫に問題解決してもらおうなんて思ってなくて、「それは辛かったね」「わかるわかる~」と共感して欲しいだけっていうことありますよね?(この夫婦の違いは「夫のトリセツ」「妻のトリセツ」を読むといいらしいです。)
そう夫に対して思っているのに、自分が子どもに対してやっていませんか?
子「今日、学校で先生からこんなこと言われたんだよ~」
母「あんたが先生の話聞いてないからでしょ!次からはちゃんと座って聞くのよ!」
みたいなね。
男の人(夫)が共感型対話が下手なのは、紐解けば母親と共感型対話が出来ていないせいかも?というくだりはドキリとしました。
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黒川氏の息子さんの実例がどう響くかが好みの分かれ目。
黒川氏自身はとても愛情を持って、息子さんを育てられたのだということは節々に感じられます。ただ、それが脳科学的なのか、教育・育児に熱心なママ(お受験ママとは違います。)なのかは少し疑問があります。
私は育児本を読まないので、もしかしたら違うかもしれませんが「自分がこうしたからこのような子どもを育てることが出来ました!」という類のエッセイに近いかもと思いました。
また、黒川氏は小学校受験や中学校受験を息子さんにさせていません。あまり推奨しているようにも見えませんでした。よって、小学校入学までにはこの能力を身につけさせたいとか、中学校受験のためには~という考え方で子育てをされている方には響かない箇所もあるかもしれません。
ハレバレちゃん
曇ちゃん
あとは元々の脳の作りが「男性=狩り」「女性=家を守る」というところからきているので、ちょっぴり現代の男女平等社会ではどうかな?と思う箇所もあります。まぁ脳科学的な観点からしたら、その方が収まりがいいのだろうなぁと思いました。
ハレバレちゃん
息子を育てる親にオススメです!ついでに夫の考え方も理解できるかも?
ちょうど、長男・太ちゃんが小学生になり、色々と「今の育て方でいいのかな」と少し立ち止まることが増えたタイミングでこの本に出会えて良かったです。
息子のこの言動はこういう理由だからなのか、という発見。
息子をこれからも育てていくにあたって、親として取り入れていきたい具体的な内容。
大きくまとめるとこの2点が本著を読んで得たことになります。男ばかり三人を育てているので、女の子あるあるが体験できないのはちょっと残念ですが、この一冊で事足りてラッキーと思っておきます。女の子を育てている方は「娘のトリセツ」を読んでみるといいかもしれません。
また、この本を読んで間接的に夫について理解できたところがありました。おじいちゃんおばあちゃんになったときの話はするくせに、目の前の結婚指輪もまだ作ってない、なんならプロポーズもしてないよね?ちゃんと考えてんの?ってところも「男性脳」の一つなのかなぁとふと昔のことを思い出しました。
詳細を書くとネタバレになるので、どこまで書くか非常に難しいところでしたが、少しでも伝われば幸いです。このブログを書くにあたって自分でまとめたノートがとても役に立ちそうです。それを見せたい!
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